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今週、協奏曲が マイ・ブームで、
CDやYou-tubeの演奏動画などで、思いつくままに 次々と聴いています。
そうするうちに、協奏曲って、1曲1曲、導入のスタイルも色々あるのだなと、
ふと気が付きました。

まず、チャイコフスキーの「バイオリン協奏曲」。
初めの1分ぐらいは、オーケストラによるイントロで、
その後 おもむろに、バイオリンのソロが始まりました。
動画では、バイオリニスト庄司紗矢香さんの立ち姿が凛々しくて、
イントロの間、オーケストラに囲まれながら静かに佇んでいる様子も
第1音を鳴らす直前に楽器を構える動きも、
見ていて わくわくしました。

ショパンの「ピアノ協奏曲 第2番」は、
ポーランドの民族舞曲っぽいメランコリックなメロディーのイントロが、
オーケストラのみで、4分も続きました。
動画では、ピアニストの辻井伸行さんが、このイントロの間じゅう、
首を左右に振り続けて、オーケストラの音楽に浸っておられるようでした。
そして突然、大胆に 独奏ピアノが始まるのでした。

ドヴォルザークの「チェロ協奏曲」も、
初めの3分30秒、ずっと オーケストラのイントロでした。
それは スラブ的な哀愁を帯びた旋律から静かに始まって、次第にエキサイトしていき、
弦楽器群の狂おしい歌があり、木管群の軽妙な会話があり、金管群の華々しい合奏があり、
この1曲のダイジェスト版みたいに オーケストラ・サウンドの様々な魅力を
これでもかこれでもかと聴かせてくれたあとに、
やっと、独奏チェロの登場。
やっぱり主役は、これだけ聴衆を待たせてから出てくるのがカッコいいなと思いました。

と、思っていたら、独奏者がいちばん最初から、
「今から、協奏曲が始まりますよ。まず私がご案内します。
 皆さん、どうぞ、よぉく聴いてくださいね」という感じで
オーケストラよりも先に、じわ~っと、しずかに語り始める曲もあることを思い出しました。

たとえば、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲 第2番」は、
独奏ピアノが、たった一人で 一歩一歩 大地を踏みしめながら前進していくような8小節のイントロの後、
ついに目の前のドアを開けば、いきなり激しい感情の嵐が吹く世界へ。
オーケストラもピアノも、嵐の中を 勇敢に ぐんぐん突き進んで行くようでした。

チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲 第1番」は、
いきなり バリバリのホルンの強奏4小節の後、
ピアノは伴奏に徹して、ゆったりとした3拍子の 雄大な和音奏を始め、
それに乗せてオーケストラが大きな大きな愛ですべてを包み込んでくれるような旋律を奏でます。

グリーグの「ピアノ協奏曲」のイントロは特に有名。
いきなり「ジャン!!」と最強音でA音を鳴らし、勢いづいて 激しく下降してくる、
この深刻でドラマティックな ピアノ・オンリーのイントロは、
悲劇をイメージさせるBGMとして テレビなどでも しばしば使われていそう…。

と、聴く前から、独奏ピアノの堂々たる先駆者の勇姿を思い浮かべていたのですが、
実際にCDで聴いてみると…。
私の思い違いでした。ピアノが最初ではありませんでした。
うっかり 忘れてました。
ピアノよりも先に、まず ティンパニのトレモロがあるということを。
そのクレッシェンドのカッコイイこと!
ティンパニからピアノへ、
♪ドコドコドコドコドコドコドコドコ ジャン!!とつながるのでした。

ああ、どれもこれも素晴らしい。
協奏曲って、奥が深いですね。
きょうは入り口(イントロ)の話ばかりでしたが、
もちろん、そこを通って 先へ先へと ぐんぐん引っ張っていかれて、
この部屋も あの部屋も その部屋も どの部屋も
作曲者のたくさんの夢が詰まった 全部の部屋を見せてほしいです。
出口のない魔法の家に迷い込んで、
いつまでもいつまでも うっとりし続けたいです。


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