FC2ブログ
2012.05.14 和音の名前
音楽仲間のOさんから、「‘G7sus4’って何? 教えて!」というメールが届きました。
早速、返信しました。

「コードネームの話なら、おまかせください。 ドンッ(←胸を叩く音)。
‘G7sus4’(ジーセブンサスフォー)は、‘G7’の直前によく出てくる和音で、
 ああ 早く‘G7’に行きたいよ~、まだですか~、
 と待たされて、ハラハラ ドキドキする気分の和音のことですよ。
 階名でいうと
 ‘ソシレファ’に行きたいのに、いったん‘ソドレファ’に寄り道する、
 あの和音のことですね」。

思えば、和音のことを考えるのは、小学生の頃から大好きでした。
ピアノを弾きながら、いつも、
「ここの和音が好き♪」とか「この和音、今度なにかに使おう♪」とか思っていました。

けれども、世の中にコードネームというものがあるのを知ったのは、
だいぶん後のことで、それは高校生の頃でした。

フォークソングの楽譜などを見るようになって、
伴奏の無い メロディーだけの楽譜の上にちょこちょこ付いているアルファベットが
和音を表している(コードネーム)と知った時、
こんな便利なものがあるとは!と感激しました。

前々から、「ド ミ ソ」とか「ド ファ ラ」といった普通の和音以外に、
「ド ミ #ソ」とか「ド #レ #ファ ラ」のような お洒落な和音が特に大好きだったのですが、
そういった様々な響きの和音に、すべて名前があったとは!

「ド ミ ソ」は ‘C’ (Cメジャー)。
「ド ♭ミ ソ」は ‘Cm’(Cマイナー)。
「ド ミ ソ ♭シ」は ‘C7’(Cセブン)。
「ド ミ #ソ」は ‘Caug’(Cオーギュメント)。
「ド #レ #ファ ラ」は ‘Cdim’(Cディミニッシュ)。

とりあえず、この5種類の基本和音の名前がわかれば、
あとは、どんな和音でも、根音の音名を入れ替えるだけでOK。

「ラ」が根音の悲しい和音なら、‘Am’
「#ソ」が根音の ちょっと目を見開くような ワクワクしたイメージの和音なら、‘G#aug’
「♭レ」が根音の ぐしゃっと押しつぶされたような 困惑イメージの和音なら、‘D♭dim’
という具合です。

ピアノで和音を弾いた瞬間、心に広がるイメージは、
「うれしい」「悲しい」「ワクワク」「ぐしゃっ」などのカンタンな言葉で片づけられるわけではないのだけれど、
(マイナーの和音でも、明るい響きを演出するときだってあるし)、
でも、コードネームを知る以前は、
とりあえず自分なりに名前を付けないと、和音のことを考えにくいので、
「この‘ぐしゃっとした和音’が好きなのよね」というふうに、
同じ響きの和音に対しては、いつも同じ言葉で表現して、心の中で分類していました。
クラシック作品を味わうときも、作曲をするときも。

あるいは、本名を知らず、他に術がないので、他人行儀に階名で呼んだり。
「ド ミ ♭シ さん、こんにちは。きょうも 晴れ晴れしてますね」
「ド ファ ソ さん、こんばんは。いつも 斜に構えてますね」

その和音たちに、ちゃんと意味のある名前で呼びかけられるようになった喜び!
高校生だったあの頃、
急に、たくさんの和音と、親密な関係になったのでした。
前からなんとなく好きだった和音に対して、さらに 親愛の情が増しました。

どこかのおうちの庭先に咲いていた青い花の名前が「桔梗」だと教えてもらったとたんに、
桔梗がかけがえのない花になったように。
そっと控えめに瞬いている あのささやかな光の星たちが「昴」だと知った日から、
冬の夜空を見上げるたびに その居場所をさがすようになったように。
同じように、「サスフォー」も「オーギュメント」も「ディミニッシュ」も
名前があるから呼びかけられる。
何度も呼びかけるから、ますます好きになる。
愛しい和音たちです。

サスフォー(sus4)を初めて知ったのは、
1972年、‘青い三角定規’というグループの「太陽がくれた季節」という曲で、でした。

♪君は何を今 見つめているの
から始まるあの歌の真ん中あたり、
♪それとも愛~
で長く歌声を伸ばす部分で、
ギターコードは、‘E7sus4’に寄り道して待たせてから‘E7’に移るのでした。

カッコよかったです
それをカッコいいなと感じていたあの頃の自分が懐かしいです。


スポンサーサイト



Secret