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きょうの‘おもしろクラシック講座’のテーマは、「素敵な第2楽章」でした。

交響曲や協奏曲やソナタなどの第2楽章は、
‘緩徐楽章’とも呼ばれる通り、心安らぐ ゆったりとした 柔らかな音楽が多いです。

きょうは皆様とご一緒に、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」を全曲通して鑑賞しました。
第1楽章、第2楽章、第3楽章、第4楽章、
その一つ一つに、幾つも幾つものドラマがあり、美しいメロディーがあり、
それらが 絶妙な連結で展開していって、全体で一つの壮大な物語になっていました。

調性に関していえば、
あの有名な第2楽章だけは 変ニ長調で、他の3つの楽章はすべてホ短調でした。
ホ短調と変ニ長調は遠隔調なので、
第2楽章に入った瞬間、不思議な浮遊感があるのだとわかりました。

ドヴォルザークの死後に
さまざまな歌詞をつけて「遠き山に日は落ちて」「家路」などの愛唱歌に編曲された
あの有名な あたたかな旋律に続いて、
同主調(異名同音で)の嬰ハ短調で奏でる中間部の哀愁は、
胸が張り裂けんばかりのボヘミアへの郷愁を表現しているようでした。

全楽章を通して 聴き終わったとき、
特に第2楽章が素晴らしかった、やっぱりあの穏やかな楽章には心が慰められた、と思い返したり、
でも、あの天国の安らぎのようなメロディーが、あの部分に挿入されていたからこそ、
第1楽章の狂おしさも、第3楽章のスケルツォも、終楽章の緊迫感も、
いっそう、その魅力が際だって聴こえたのだとも感じました。

そして、やはり多楽章構成の音楽は、全楽章を通して味わってこそ、
モザイクのすべてのピースが揃って、一つの大きな絵が完成して見えるのだと
あらためて感じました。

最終的に ホ長調に転じて感動的に集結する、そのいちばん最後の一音は、
フェルマータの和音を減衰しながら出すというもので、
指揮者ストコフスキーは、この部分を、「新大陸に 血のように赤い夕陽が沈む」と評したそうです。

なるほど。
遠き山に日は落ちて、家路を急ぎ、ふるさとを想う、
その夕暮れの切なさは、古今東西共通なのだと実感しました。


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