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幼い生徒さんは、たいてい 色鉛筆が大好きです。
レッスン中、ちょっとした説明やマークなどを 楽譜に書きこむとき、
様々な色の色鉛筆を使って 色々なことを書くと、色々な色で どんどん 色彩豊かな楽譜になっていって、
(↑ この行、‘色’が多すぎ!)
生徒さんは大喜びです。

レッスン室には 色鉛筆を40本ほど無造作に入れている紙箱(カステラの箱ぐらいのサイズ)があって、
私が何か楽譜に大事なことを書き込みたいときは、
「はい、よろしく!」と言って、まず それを生徒さんに渡します。

生徒さんは、その箱を膝の上に乗せて、
ジャラジャラと おみくじの棒をかき回すみたいな音を立てながら、好きな色を選びます。
その日の気分で、かんたんに1色目を選んでしまう人もいれば、
30秒ぐらいも ジャラジャラかき回して、どの色にしようかと 楽しそうに迷い続ける人もいます。

とりあえず1色目が決まると、生徒さんは、
私が差し出した右手の てのひらの上に、ポンッと その1本を置いてくれます。
私はそれをサッと握って、説明をしながら、楽譜に マークなどを書き込みます。

毎週のことなので、お互いに手慣れた連携プレイです。
「なんだか、手術中の『メス!』みたいね♪」

「この曲のいちばんのポイントは、
 シンコペーションのたびにアクセントをつけて、キリッと演奏することね。
 じゃ、いくつも出てくるアクセント、ぜんぶ、この色でマークしちゃうよ!」
きゅっきゅっきゅっ。

「次は、滑らかに弾きたいところ、ぜんぶ、きれいなスラーをつけましょう。
 はい、2色目、よろしく!」
また、ジャラジャラ、色選び。
2色目が決まると、また ポンッと渡してくれます。

「すらすら~っと弾きたいから、スラーって言うのかもね」
とかなんとか言いながら、メロディーをくちずさみつつ、きれいなスラーをかきます。

「あらら、ここから、新しい雰囲気のメロディーだわ。
 スラーの色を変えましょう。 3色目、よろしく!」

ジャラジャラ。(色鉛筆を選ぶ音)
ポンッ。(手渡す音)
すらすら~。(マークする音)

「この曲、次々と いろんなタイプのメロディーが出てくるから、5色ぐらい使うかもよ」

ジャラジャラ、ポンッ、すらすら~、ジャラジャラ、ポンッ、すらすら~、ジャラジャラ、ポンッ、すらすら~。
どんどん 楽譜がカラフルになっていき、
やがて、とっても見やすい楽譜が出来上がります。

白い紙に 五線と音符が黒インクで印刷されていただけの、あの白々しい最初の楽譜がウソのように、
その人だけの 親近感のある 楽しい楽譜になりました。

「フレージング(phrasing)、ばっちり できました。
 もう、楽譜の棒読みは しないよね」
大好きな童話を朗読するみたいに、抑揚の効いた すてきな演奏ができそう♪
そんな予感がします。


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