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2012.05.31
きょうは、高齢者介護施設‘赤坂台デイサービスセンター’で演奏しました。
もんたったの3人組で。

もんたったの演奏が8曲、
会場の皆様とご一緒に歌う曲が3曲、
そして、鍵盤屋ソロが1曲。
1時間のプログラムのときは、たいていそれぐらいの曲数です。

もうすぐ6月なので、きょうのソロ曲は、「雨」( La pioggia ) にしました。
ジリオラ・チンクェッティ( Gigliola Cinquetti ) の1969年のヒット曲です。
あらかじめシンセで打ち込んでおいた伴奏MDにあわせて、ピアニカで吹きました。

降りしきる雨の中、手に手をとりあって走り出すカップル。
傘なんかいらない。濡れたっていい。
君がいれば、あなたがいれば、それだけで幸せ。
…そんなイメージで演奏しました。

♪ララシラドラレド ララシラドラレド ララシラドラレド ララシラドラレド
バックでずっと繰り返されるこのフレーズが
降りやまぬ雨、燃えさかる愛を表しているようで、
そのストレートなラブソングの勢いに身を任せて、ぐいぐい吹きました。

音楽にあわせて、
銀色の紐を束ねたものをチアガールのようにキラキラと振ってくださっていたお客様方。
ありがとうございます。
宝石のように光る雨に、とっても励まされました。


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明日の‘赤坂台デイサービスセンター’でのコンサートに備えて、
もんたったの3人で、最終の打ち合わせと練習をしました。
全部で12曲。

1. 世界の国からこんにちは
2. Shall We Dance?
3. 小さな靴屋さん
4. みかんの花咲く丘
5. サライ
6. きよしのズンドコ節
7. 君は心の妻だから
8. 雨
9. 青い山脈
10. おひさま
11. この街で
12. Time To Say Goodbye

おもちゃ箱をひっくり返したような、取りとめもない選曲ですが、
お聴きくださる方々に、どれか1曲でも気に入っていただけたらと願って、
いろいろ取り揃えてみました。

1曲目の「世界の国からこんにちは」は、1970年の大阪万博のテーマソングで、
三波春夫さんの歌声が懐かしいですが、
もんたったは、これを自己紹介の替え歌にして、
高齢者施設でのコンサートのときは、たいていオープニングで歌うことにしています。


 こんにちは こんにちは 西の国から 
 こんにちは こんにちは 東の国から
 こんにちは こんにちは 赤坂と御池から (←私たち3人は、赤坂台と御池台に在住)
 こんにちは こんにちは 赤坂台デイサービスセンターの皆様に (←その都度、当該施設名を挿入)
 2012年の こんにちは
 こんにちは こんにちは 握手をしよう

 こんにちは 「こんにちは!」 ベースは 「モンリーで~す♪」 
 こんにちは 「こんにちは!」 ソプラノ 「タニで~す♪」
 こんにちは 「こんにちは!」 ピアノは 「タケシで~す♪」
 こんにちは こんにちは 3人あわせて もんたった
 楽しい歌の数々 届けます
 こんにちは こんにちは ゆかいな音楽会

ユニゾンになったり、ソロになったり、台詞になったり、3重唱になったり、
ピアノを弾いたり、ピアニカを吹いたり、ウッドベースを弾いたり、
ジェスチャーをしたりしながら、
いつも、とびきりの にこにこ顔で、この ご挨拶ソングを歌います。
よろしくね!の気持ちをこめて。

さあ、明日も、3人で力をあわせて演奏したいと思います。
音楽を通して、希望のメッセージが届けられますように。
たくさんの方々と心を通わせて、握手ができますように。


きょうもZさん(中1)がレッスンに来てくれて、ホッとしました。
うれしかったです。

と言いますのは、先週、Zさんのレッスンが終ったとき、
「じゃ、また来週ね」と、いつものように にっこり バイバイをしながら ドアを開くと、
思いがけず、そこに お母様が待っていてくださって、
「じつは、突然ですが、うちの子、ピアノをやめることに…」と切り出され、
私の心臓は、ドキン!と鳴ったのでした。

毎週、こんなに楽しくレッスンしてきたつもりだったのに、
それは、私一人の勘違い?
Zさんは、いつも よく練習してきてくれるし、
弾きたい曲をリクエストするのも積極的だったし、
特に、嵐とかキスマイとか、最新のJポップが得意で、
アップテンポなダンスミュージックの複雑なリズムも、ノリノリで軽快に弾いていたというのに、
どうして?

「急にピアノがキライになったんですか…?」と、私は悲しい気持ちで おそるおそる尋ねました。
すると、
「いえいえ、違います違います!
 ピアノは大好きなんです。
 寸暇を惜しんで、毎日、ピアノは弾いてます。
 レッスンも大好きなんです。
 でも、時間が足りないんです。
 中学生になって、毎日 部活で遅くなるし、塾もあるし、
 小学生の時みたいに、毎週同じ時間にレッスンに通うのは、
 ちょっと、もう、無理みたいで…」と お母様。

「ああ、そういうことだったんですね。
 それはそうですよね。ほんとに中学生は忙しいですよね。
 今まで毎週来れていたのが不思議なくらいですね。
 毎日ハードスケジュールなのに、よく頑張ってくれてましたね。
 …それでは、提案ですが、たとえば、レッスン回数を減らすというのはどうですか?
 毎週でなくても、月に1回とか2回でも、構わないですよ」
「え? いいんですか? 毎週でなくても?」
「もちろん!
 ピアノと、ずっとずっと、一生、仲良しでいてほしいんです」

人生は長いんですから、のんびり、ぼちぼち、無理のないスピードでやればいいですよ。
弾けるときに、弾きたい曲を、弾きたいように弾く。
まず自分が楽しんで。
誰からも強制されずに。
これが長続きのコツです。
疲れたら休憩すればいい。

「なあんだ!」
Zさんも、お母様も、私も、ちょっと気が楽になりました。

それから1週間が過ぎ、
きょう、また元気いっぱいで、Zさん登場。

「やっぱりピアノ続けます♪
 2週間に1回ぐらいのペースで来ます」
「よかった~!
 はい! そんなあなたに、新しい楽譜です。
 斉藤和義さんの『やさしくなりたい』」

Zさんが前から弾きたがっていたその曲は、
メロディーも歌詞もリズムも 超カッコイイ。

 ♪やさしくなりたい やさしくなりたい
  自分ばかりじゃ… 虚しさばかりじゃ…
  愛なき時代に生まれたわけじゃない
  強くなりたい やさしくなりたい           (作詞・作曲:斉藤和義)

シャイなマルチプレイヤー斉藤和義さんが エレキギターを魔法みたいに弾く、
あのイントロから、コピーして弾いてくださいね。
テクニシャンのZさん。 あなたにぴったりの曲ですね。


Yさん(高1)が、2週間ぶりに登場。

「中間テストで忙しくて、この2週間、ほとんど練習できませんでした」
「それじゃあ、前回 宿題に出した曲を、
 きょうも、もう一度、初めて出会う曲のような気持ちで 一から じっくりレッスンしましょうか?」
「それもいいけど、その曲は、もっと家でよく練習してきてからにしたいので、
 きょうはきょうで、別な新曲を教えてほしいです。
 何かオススメの曲、ありませんか?」
「うわあ、それはいいアイデアね。 まかしといて♪」
ガバッ。 (← 勢いよく 楽譜棚の扉を開けた音)

私は曲目解説をするのが大好きなので、
できることなら、毎週でも、こんな曲はどう? あんな曲はどう? と、
どんどん、いろんな曲を紹介して、その曲の魅力について語りたい気持ちでいっぱいなのです。
そんな私の性格を知っているせいか、
どの生徒さんも、家庭練習ができていないときは、悪びれもせず、
「何か新しい曲 ありませんか?」とおねだりします。

そのことを、あとで親御さんに うっかり報告したりすると、
「ええっ? うちの子いうたら、練習もせんと 先生とこ行って、
 そんな厚かましいこと お願いしてるんですかぁ?
 すいませ~ん!
 もっとビシッと怒ってやってください」
とか、たいてい恐縮されるので、
内緒にしておいたほうが良いのかも…。

きょうは、Yさんに
『フランスのエスプリ』 (ヤマハミュージックメディア) という興味深い楽譜集を紹介しました。
ラヴェル、ドビュッシー、フォーレ、サティ。
この4人の作曲家の名曲を26曲も収めた、
フランス近代印象派ダイスキ人間には たまらん曲集です。

「月の光」や「ジムノペディ第1番」などのピアノ曲は、もちろん原譜通りですが、
この曲集のいいところは、ピアノ以外の器楽曲やオーケストラ曲や合唱曲も、
ピアノ編曲譜で載っていることです。
・ラヴェル「ボレロ」
・フォーレ「ペリアスとメリザンド」より‘シチリアーノ’
・フォーレ「レクイエム」より‘ピエ イエズ’
・フォーレ「夢のあとに」
など。

「ああ、この本、私自身、とっても懐かしいわ。
 この曲も、この曲も、この曲も…。
 あら、ラヴェルの『弦楽四重奏曲』も入ってる!」

それは、古い民謡のような素朴なメロディーをモティーフにしているものの、
これでもか これでもかと ラヴェル独特の幻想的な和音が続き、
魔法の森の奥へ奥へと、ぐいぐい引っぱっていかれるような、
そんな味わい深い作品です。

まず一緒に You-tubeで 原曲の弦楽四重奏の演奏を聴き、
それから、ピアノで おそるおそる 弾き、
(↑初見で弾くには手ごわい難しさ、というのと、作曲者に対しての畏敬の念から)、
最後に、シンセでストリングスの音色で楽しみました。
難しい部分は割愛して、弾きやすい部分、気持ちのいい部分だけのいいとこどり演奏ですが。

「ねっ! いい曲でしょう!」
「はい! いい曲ですね!」
もう言葉は要りません。

来週、楽しみです。
鳥肌が立つような『弦楽四重奏曲』を、
Yさんの熱い想いのこもったピアノで聴かせてくださいね。


きょうの礼拝の中で、
小学生の子どもたちが 「かなしいことがあっても」 という讃美歌を歌ってくれました。


  悲しいことがあっても
  なきたい時にも
  いつもいつも きみのこと
  守ってくれるだろう

  イエスさまがきて
  イエスさまがきて
  イエスさまがきて
  守ってくれるだろう

           (日本キリスト教団出版局『こどもさんびか(改訂版)』131番)


聖書が語る福音を
子どもたちが シンプルな言葉と 素直な歌声で 聴かせてくれましたので、
それは ハッとするほどストレートに伝わり、
「そうだ、イエスさまがいっしょにいてくれるんだ!」と、
うれしくなりました。


  「あなたがたの中に、苦しんでいる者があるか。
   その人は、祈るがよい。
   喜んでいる者があるか。
   その人は、さんびするがよい」 (ヤコブの手紙5章13節)。

                                        (日本聖書協会口語訳)


2012.05.26 ハブラシ効果
ハブラシが、歯磨きやお掃除以外の場面でも、こんなに素晴らしい効果を発揮するとは!?
という うれしい事件がありました。

きょう、Wさん(小1)のレッスンの時、
かわいいハブラシを5本、テーブルの上に並べていたのです。なんとなく。
それぞれ 持ち手の部分に 指人形のようなサイズの ピンクのうさぎさんが付いていて、
底は吸盤になっていて、テーブルの上に立ちます。
戴き物なのですが、あんまり可愛いので使うのがもったいなくて、新しいまま置いていました。

Wさんは、それを見つけるなり、大はしゃぎで、
「みがわりかくれんぼ、しよう!」と、5本を手に持って、ぴょんぴょん跳びました。

「ちょ、ちょっと待って。 まずレッスンしようよ」と私。
「じゃあ、5本のうさぎさん、あっちこっちに かくすからね。
 ほんとのかくれんぼじゃなくて、うさぎさんが みがわりに かくれるってこと」とWさん。マイペースです。

「ピアノは?」
「ひくから、ひくから。 かくすあいだ、めかくししてて」

待つこと1分。
「おまちどおさま。かくしたよ」
「はい、では、ピアノです。
 『すなおな心』、きょうは、しあげ気分で、5回、弾きましょう」
「じゃあ、1回ひきおわるたびに、うさぎさん、さがしてね」
「OK!」

Wさんの演奏、いつもより陽気です。スイスイ弾いています。
ミスタッチしても、「なんでやねん!」と自分でツッコミを入れながら、楽しそうです。

約束通り、彼女が1回弾き終わるたびに、私はうさぎさんをさがしました。
冷蔵庫にくっついてたり、おざぶとんの下に埋まってたり、ペン立てに入ってたり…。
見つかるたびに、「うさぎさん、みっけ! 上手に弾けました!」と言いながら、
テーブルの上に、バシッと立てました。
吸盤のおかげで、気持ちよく立ってくれます。

Wさんはノリノリで、5回弾けましたので、
テーブルに5本、ハブラシが立ちました。

「もっとしようよ! こんどは、アラベスク!」と、Wさん、やる気満々。

そういうわけで、きょうは、「すなおな心」も「アラベスク」も「かわいいオーガスティン」も、
全部5回ずつ、弾きました。
ハブラシの身代りかくれんぼとセットで。

Wさんの演奏中、私はすぐ隣の椅子に座っていながらも
ハブラシの隠し場所が気になってキョロキョロしていたら、
「ピアノひいてるときは、わたしだけをみて!」と言われてしまいました。

ごめんごめん!
これからは、あなただけを見ます。
ちゃんと聴いてますよ。
じょうずになったね。


2012.05.25 前奏
Vさん(小4)のレッスンで、この頃、赤坂台小学校の校歌のピアノ伴奏を練習しています。
♪さそいあわせて 顔と顔~
という歌詞から始まる 明るい元気な歌です。

歌は楽しく歌えるんだけど、ピアノ伴奏は結構難しいです。
特に前奏が。

前奏って、
「皆さん、今から始まりますよ。
 まず、私が弾きますね。
 こんなメロディー、こんなリズム、こんなノリの歌ですよ。
 さあ、ご一緒にどうぞ!」
と、誘い出すように演奏しなくちゃいけないのですね。

これが難しい。
私も、いつも経験しています。
合唱団の伴奏とか、歌い手さんの伴奏とか、
フルートやバイオリンなどの独奏楽器の伴奏とか。
特に、前奏や間奏が難しいことが多いです。

ピアノ伴奏って、
歌が始まってしまえば、歌をバックから支える地味な存在になるのですが、
(立ち位置という意味でも、音の数という意味でも)、
歌の無い部分は、一人でオーケストラしてるみたいに頑張らなくちゃいけないんですね。
(目立ち方という意味でも、音の数という意味でも)。
これが凄いプレッシャーです。

「いや~ん!
 どうして、こんなに難しい部分に限って、ごまかしが きかなくって、
 ちょこっとミスタッチをしただけでも目立ってしまうんですか?」と、
パリッと豪華でカッコイイけど難度の高い前奏や間奏を
コンサートなどで弾く場面になるたびに、
内心、ドキドキ・ハラハラ・冷や汗で、編曲者に文句を言っています。
(でも、なんとか、それらしく弾けたときは、とてもうれしいんですけど)

「難しいよね。悔しいよね。その気持ち、よくわかるよ」と私。
「来週合格ね、って先週言われて、
‘もうすぐ完成マーク’書かれてるけど、きょうはまだ無理です」とVさん。
「また来週でもいいよ。‘もうすぐ完成マーク’、2重丸にしとくから」
「来週も完成しなかったら?」
「さ来週でもいいよ。‘もうすぐ完成マーク’、3重丸にすればいいから」
「さ来週も完成しなかったら?」
「ささ来週でもいいよ。‘もうすぐ完成マーク’、4重丸にすればいいから」
「うわあ、そんなことしてたら、
 さささささ来週には、‘もうすぐ完成マーク’が、ロールケーキになっちゃう!」とVさん。

二人で大笑いしました。
大丈夫ですよ。
いつも楽しそうに弾いてくれているので、うれしいです。

あなたが何度も弾いてくれる前奏の4小節に誘われて、
♪さそいあわせて~
と、毎回、おもわず歌い出してしまう私です。


毎月第4木曜日は、‘らっこクラブ’(子育て支援サークル)です。
経験豊富なボランティアおばさんたちによる、楽しい企画の保育が人気で、
毎回、若いママさんたちが20人ほど、かわいい らっこちゃんたち(0~3歳児)を連れて参加されます。

「たのしく はみがき」がテーマのきょうは、
工作の得意なTさんが、立派な仕掛け絵本を作ってきてくださいました。
隅っこのツマミを動かすと、
いろんな動物さんたちが次々に「あ~ん」とおくちを開いたり、
きゅっきゅっと ハブラシが上下したり。

絵本を見つめて大興奮のらっこちゃんたちに、
続いて、ハブラシが配られました。
厚紙と荷造りヒモで作られた 手作りおもちゃのハブラシです。

ここで、歌のおばさんのUさん登場。
「みんなで、ハブラシ体操しましょう♪」
明るいリードに合わせて、
全員で オリジナルソング「もぐもぐ・はみはみ」を歌いながら、
ハブラシを上げ下げしたり、振ったり、回したり。

らっこちゃんたちは、ハブラシだけじゃなく、体じゅう、前後左右に揺れていました。
楽しそう♪


             もぐもぐ・はみはみ

     (「いただきます」のあとは な~に?)

    ♪ もぐもぐもぐもぐ おいしいね
      だいすきだいすき たまごやき  ( ← いろんな食べ物の名前を挿入します)

     (「ごちそうさま」のあとは な~に?)

    ♪ はみはみはみはみ たのしいね
      ぴかぴかぴかぴか きゅっきゅっきゅっ

                                    (作詞作曲:ゆかいな鍵盤屋)


2012.05.23
水曜日は、女声合唱団‘コールブリージン’。
きょうは、新曲「糸」の楽譜が配られました。
オリジナルは、1998年に発表された中島みゆきさんの作品ですが、
2004年にBANK BAND (vocal 櫻井和寿さん) のカヴァーで、さらにヒットしたそうです。

じつは、この曲には思い出があります。
6年前、音楽仲間のSさん (vocalist) のライブで、私は伴奏を頼まれたのですが、
その時の曲目の中に「糸」がありました。
Sさんから教えられるまで、私はその曲を知りませんでしたが、
合わせ練習を重ねるうちに、なんていい曲なんだろうと思うようになりました。
本番も、彼女の心のこもった歌唱に感動しながら、寄り添うように伴奏しました。

そのライブを終えた後、Sさんは、考えるところがあって、一人旅に出られました。
しばらく音楽活動も休止されるとのこと。

「Sさん、今頃、どうしてるのかな…。
 また、あなたの歌声が聴きたいです…」
ときどき、Sさんのことを思い出しては、胸の奥で、「糸」のメロディーが巡っていました。

ある日、近所のスーパー‘千成’に買い物に行き、
カレー・ルーが並ぶ棚の前で、どれにしようかな、と眺めていた時、
突然、頭上から「糸」が降ってきました。櫻井さんの歌声で。

♪どこにいたの 生きてきたの
 遠い空の下 ふたつの物語

Sさんのことを思い出して、涙があふれてきました。
カレー・ルーの並ぶ棚の前で、しばらく動けなくなってしまいました。
千成さん、店内放送、ありがとう。

あれから6年。
Sさんは辛いことを乗り越えて、この春、とびきりの笑顔で、ライブを再開されました。
もちろん、聴きに行きました。

♪縦の糸はあなた 横の糸は私
 織りなす布は いつか誰かの
 傷をかばうかも知れない

中島みゆきさん、すばらしい歌詞をありがとう。
今度は、女声合唱で歌います。私は伴奏ですけど。
誰かの包帯になれるかも知れない、そんなあたたかい演奏ができますように、
今週からしっかり練習したいと思います。


毎月第4火曜日は、‘御池ゆりかご会’です。
2004年から始まった この楽しい歌声サークル、
きょうは、第96回でした。

いちばん最初に歌う曲は、7年前から、毎回おなじ、
「御池ゆりかご会の歌」です。

2曲目は、主催団体‘優・遊・友’のテーマソングです。
 A 「優・遊・友、あなたと私」
 B 「優・遊・友、空には雲が」
の2曲あって、毎月 代わる代わる歌っています。

きょうは Bのほうを歌いました。
会の楽しさが自然に伝わってくる ステキな作詞をしてくださったのは Rさん。


 1.空には雲が遊んでいるよ
  風が優しく ほら 語りかけるよ
    YOU  YOU  YOU
    あなた あなたよ あなたもですよ
    YOU  YOU  YOU
    あなた あなたよ あなたもですよ
  雲を感じて 風を感じて 一緒に遊びましょう
  心優しく過ごしたいから
  心豊かに暮らしたいから

 2.山に小鳥が歌っているよ
  野にはお花が ほら 笑っているよ
    YOU  YOU  YOU
    あなた あなたよ あなたもですよ
    YOU  YOU  YOU
    あなた あなたよ あなたもですよ
  心開いて 微笑返して 一緒に遊びましょう
  心優しく過ごすために
  心豊かに暮らすために

                           (作曲:ゆかいな鍵盤屋)


ゆったりとしたワルツ風で、部分的に2部合唱。
高音パートの ‘YOU~ YOU~ YOU~’ と
低音パートの ‘あなた あなたよ あなたもですよ’ が
ポリフォニックに重なるところがお洒落です。

きょうも 100人で 心優しく 心豊かに 歌いました。


2012.05.21 威風堂々
Qさん(小4)のレッスン。きょうの新曲は、エルガー作曲「威風堂々」でした。

まず、ブラスバンドて演奏している原曲を、You-tubeで一緒に聴きました。
演奏時間約5分。
急・緩・急の 3部形式から成る行進曲で、
その中間部のゆったりした美しい旋律は、
イギリスでは「希望と永遠の国」 "Land of Hope and Glory" と呼ばれ、
‘第2の国歌’と称されるほどに、愛されている音楽だそうです。

「いいよね~!
 全部カッコイイけど、特に この真ん中の部分、いいでしょう!
 聴いたことあるんじゃない?」
「はい、どこかで聴いたことあります」
「その部分、20小節ほどのピアノ・ソロの楽譜にアレンジしたのが、この楽譜です」
と言いながら、グイ~~ン。(←パソコンからプリントアウトする音)

「トランペットとか ホルンとか トロンボーンとか、 
 そういう金管楽器の厚みのある華やかな音色がよく似合う曲なんだけど、
 でも、ピアノでも、なんとか、この勇壮な感じを出したいね」

それから、楽譜の最初に付いている Maestoso という音楽用語の話をしました。
「荘厳に」
「堂々と」
「立派に」
「ゆったり」
「エッヘン」
「胸をはって」
「一歩一歩、大地を踏みしめて歩くように」

いつも落ち着いていて、毅然として、目をキラキラさせながら 静かに微笑んでいる、
そんなQさんの雰囲気にぴったりだと思って選曲しました。

一つ一つの四分音符が全部、喜びの鼓動の音のように響いたらいいね。

今週は、片手ずつ分け合って、連弾しました。
来週は、Qさんのソロ。 楽しみです。


きょうも礼拝で、新しい1週間を生きるための力をいただきました。
自分一人だったら、何もできません。
でも神様が助けてくださるので、
どんな時も神様が守り導いてくださるので、
その神様に感謝して、従っていきたいと思います。

  1. 主よ われをば とらえたまえ
    さらばわが霊は 解き放たれん
    わがやいばを 砕きたまえ
    さらばわが仇に 打勝つをえん

  2. わがこころは 定かならず
    吹く風のごとく たえず変わる
    主よ み手もて 引かせたまえ
    さらば直き道 踏み行くをえん

  3. わがちからは よわく乏し
    暗きにさまよい 道になやむ
    あまつ風を 送りたまえ
    さらば愛の火は 内にぞ燃えん

  4. わがすべては 主のものなり
    主はわが喜び また幸なり
    主よ み霊を 満たしたまえ
    さらば永遠の 安きを受けん

                        (日本バプテスト連盟『新生讃美歌』485番)


「ハルトラ feat. ASANA」のライブを聴きに行ってきました。

‘ハルトラ’さんは、ヴォーカルのharukaさんとギターのYa'mangeloさんのユニットで、
2009年に カーペンターズのカバーでメジャーデビューされたそうですが、
ジャズ、ボサノバもこなせて、
お洒落な曲を お洒落に演奏しておられて、とっても気持ちが良かったです。

20人で満員のような小さなライブハウスだからこそ、
ミュージシャンとの距離が近くて、親しみが湧きました。

harukaさんの柔らかくて安定した心地よい歌声と、飾らない気さくなトークに、
どんどん惹きこまれました。

そして、Ya'mangeloさんのギターに圧倒されました。
アコースティック・ギター1本で、こんなに豊かな伴奏ができるとは。
サブ・メロディーも、リズム・コードも、ベース・ラインも、全部同時にお一人で!
左手の4本の指だけで弦を押さえ、右手の5本の指だけで爪弾いて、
どうして、3人分ぐらいのバッキングができるのでしょう?
ただただ感心して、目を見張っていました。

どの曲も楽譜は見ていなくて、暗譜というよりも、即興的な自由な演奏なのでしょう。
華やかな立ち姿のヴォーカルさんの後ろで、
地味に丸椅子に座って カッコイイことを涼しい表情で着々とやってのけている、
こういう職人さんみたいなアーティスト、大好きです。
縁の下の力持ちのような。
私もそういう伴奏者になりたいなと、憧れます。

その日のもう一組の出演者ASANAさんとそのお母様は、私の大切なお友だちです。
小さい頃からずっと歌が大好きで、10代の頃からライブで活躍していたASANAさん。
この6年間のお休みは、インプットの季節だったんですね。
宝物をたくさんたくさん心に蓄えて、
きょう、6年ぶりのアウトプット。
さらに大人になった歌声が聴けて、本当にうれしかったです。

お母様のピアノ伴奏にあわせて歌えたことも、本当に良かったですね。
母娘で共演できるって、すばらしいことですね。
この日のライブのために8曲、
お二人で、何度も何度も、何時間もかけて練習してこられたことでしょう。
それはとっても素敵な時間だったことでしょうね。

特に、「愛は勝つ」、感動しました。

  ♪心配ないからね
   君の想いが誰かに届く
   明日がきっとある~ 

                      (作詞作曲 : KAN)

希望のメッセージを、ありがとう!


2012.05.18 星に願いを
昨日、‘おもしろクラシック講座’が始まる時に受付をしていたら、
「初めて参加します」と言って、Pさんが入ってこられたので、びっくりしました。
20年ぶりぐらいの再会です。

「まあ! Pさんじゃありませんか!
 お久しぶりです。 長らくお会いしていませんでしたね。
 いかがお過ごしでしたか?
 またお会いできてうれしいです。」

講座が始まる直前だったので、少ししか話せませんでしたが、
思いがけず懐かしい人にお会いできたので、うれしくなりました。

それから、ご一緒に90分の講座を楽しみました。
グリーグとシューマンの それぞれのピアノ協奏曲をたっぷり堪能。
鍵盤屋コーナーは「ソルヴェーグの歌」。
どの曲も、ときおり頷きながら、熱心に聴いていてくださいました。

帰り際に、Pさんから、さらに思いがけないリクエストが。
「ピアノ始めたいんですけど、レッスンお願いできますか?」
「まあ! 私のような者でもよろしかったら 喜んでさせていただきます!」

そして、きょう、第1回レッスンということで、早速 訪問させていただきました。

「わざわざ訪問してもらってごめんなさいね。
 まだ外出はちょっと大変なので。
 しばらく病気をしていたんです。
 闘病で、一時は本当に大変でした。
 でもだいぶん元気になりました。
 それで、ピアノを始めたくなったの。
 真っ先に弾きたい曲は、“ When You Wish Upon A Star  ”」

英語の先生をしておられた彼女は、さすがに発音が美しく、
ネイティブのように早口で滑らかにその題名を話されたせいで、
私はとっさに何のことか分かりませんでした。
“ We Wish You A Merry Christmas ” かしらと思って、
ちょっとそのメロディーをくちずさんでみましたが、彼女は無反応。
やはり私の聞き間違い。

「あの、もしかして それは、日本語では『星に願いを』と呼ばれている曲のことですか?」
「ああ、そうとも言いますね。
 私はこの曲を、英語で歌いたいの。ピアノの弾き語りで」
「なるほど。それはステキですね」
「歌が始まる前の、verse(語りのような叙唱)から歌いたいの。
 この部分の歌詞があるからこそ、この曲は光ってるんだと思うの。
 星に祈ることができるの」

そうだったんですか。
「星に願いを」に叙唱部分があったとは、知りませんでした。
そっと小声で歌ってくれた、その彼女の真っ直ぐな願いが伝わってくる歌い方に、心が動かされました。

「わかりました。
 来週までに、Pさんにピッタリな雰囲気の弾き語り用の楽譜を作ってきましょう。
 Pさんの想いがたっぷり詰まった歌声とピアノ、聴かせていただく日が楽しみです」

  When a star is born
  They possess a gift or two
  One of them is this
  They have the power to make a wish come true

  When you wish upon a star
  Makes no difference who you are
  Anything your heart desires
  Will come to you

                                   words by NED WASHINGTON


今週、協奏曲が マイ・ブームで、
CDやYou-tubeの演奏動画などで、思いつくままに 次々と聴いています。
そうするうちに、協奏曲って、1曲1曲、導入のスタイルも色々あるのだなと、
ふと気が付きました。

まず、チャイコフスキーの「バイオリン協奏曲」。
初めの1分ぐらいは、オーケストラによるイントロで、
その後 おもむろに、バイオリンのソロが始まりました。
動画では、バイオリニスト庄司紗矢香さんの立ち姿が凛々しくて、
イントロの間、オーケストラに囲まれながら静かに佇んでいる様子も
第1音を鳴らす直前に楽器を構える動きも、
見ていて わくわくしました。

ショパンの「ピアノ協奏曲 第2番」は、
ポーランドの民族舞曲っぽいメランコリックなメロディーのイントロが、
オーケストラのみで、4分も続きました。
動画では、ピアニストの辻井伸行さんが、このイントロの間じゅう、
首を左右に振り続けて、オーケストラの音楽に浸っておられるようでした。
そして突然、大胆に 独奏ピアノが始まるのでした。

ドヴォルザークの「チェロ協奏曲」も、
初めの3分30秒、ずっと オーケストラのイントロでした。
それは スラブ的な哀愁を帯びた旋律から静かに始まって、次第にエキサイトしていき、
弦楽器群の狂おしい歌があり、木管群の軽妙な会話があり、金管群の華々しい合奏があり、
この1曲のダイジェスト版みたいに オーケストラ・サウンドの様々な魅力を
これでもかこれでもかと聴かせてくれたあとに、
やっと、独奏チェロの登場。
やっぱり主役は、これだけ聴衆を待たせてから出てくるのがカッコいいなと思いました。

と、思っていたら、独奏者がいちばん最初から、
「今から、協奏曲が始まりますよ。まず私がご案内します。
 皆さん、どうぞ、よぉく聴いてくださいね」という感じで
オーケストラよりも先に、じわ~っと、しずかに語り始める曲もあることを思い出しました。

たとえば、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲 第2番」は、
独奏ピアノが、たった一人で 一歩一歩 大地を踏みしめながら前進していくような8小節のイントロの後、
ついに目の前のドアを開けば、いきなり激しい感情の嵐が吹く世界へ。
オーケストラもピアノも、嵐の中を 勇敢に ぐんぐん突き進んで行くようでした。

チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲 第1番」は、
いきなり バリバリのホルンの強奏4小節の後、
ピアノは伴奏に徹して、ゆったりとした3拍子の 雄大な和音奏を始め、
それに乗せてオーケストラが大きな大きな愛ですべてを包み込んでくれるような旋律を奏でます。

グリーグの「ピアノ協奏曲」のイントロは特に有名。
いきなり「ジャン!!」と最強音でA音を鳴らし、勢いづいて 激しく下降してくる、
この深刻でドラマティックな ピアノ・オンリーのイントロは、
悲劇をイメージさせるBGMとして テレビなどでも しばしば使われていそう…。

と、聴く前から、独奏ピアノの堂々たる先駆者の勇姿を思い浮かべていたのですが、
実際にCDで聴いてみると…。
私の思い違いでした。ピアノが最初ではありませんでした。
うっかり 忘れてました。
ピアノよりも先に、まず ティンパニのトレモロがあるということを。
そのクレッシェンドのカッコイイこと!
ティンパニからピアノへ、
♪ドコドコドコドコドコドコドコドコ ジャン!!とつながるのでした。

ああ、どれもこれも素晴らしい。
協奏曲って、奥が深いですね。
きょうは入り口(イントロ)の話ばかりでしたが、
もちろん、そこを通って 先へ先へと ぐんぐん引っ張っていかれて、
この部屋も あの部屋も その部屋も どの部屋も
作曲者のたくさんの夢が詰まった 全部の部屋を見せてほしいです。
出口のない魔法の家に迷い込んで、
いつまでもいつまでも うっとりし続けたいです。


明日の‘おもしろクラシック講座’は、グリーグのピアノ協奏曲を鑑賞するとのこと、
講師のNさんから連絡が入ったので、
鍵盤屋コーナーの題材は、グリーグつながりで、「ソルヴェーグの歌」にしようと思いました。

「ペール・ギュント組曲」(第1・第2) の終曲。
老女ソルヴェーグがしみじみと歌う、あの物悲しくも美しい歌曲です。

「ソルヴェーグって、主人公ペールの年老いた母だったっけ?
 放蕩息子の帰還を何年も待ちわびる、ノルウェー版‘岸壁の母’?」
と 一瞬 思ったのは、私の大きな勘違いで、
ソルヴェーグは ペールの若き日の恋人でした。
ひたすらに何十年も愛する人を待ち続ける純情な女性。

ということは、
前半の短調の部分は、
深みのある 落ち着いたアルトの歌声のイメージじゃないかしら。
後半の明るいスキャットの部分は、
若い頃のすてきな思い出を再現するような 軽やかなソプラノの歌声のイメージじゃないかしら。
その歌声の味を ピアニカで出せないかしら。
音域はどのくらいが適当かしら? 何調にする?

夢が膨らみます。
手持ちの楽器で なんとか精一杯の音楽表現をしたいと、あの手この手 考えてみる、
この時間が好きです。

右手と口でピアニカ、左手でピアノ伴奏、という最近の鍵盤屋スタイルで、
ピアニカの最低音Fを 深くて重い悲しみの音として鳴らすために、
変ロ短調という key を採用することにしました。

1番はアルト音域で。
2番はソプラノ音域で。
エンディングのメロディーは、3オクターブ・ピアニカだからこその 音域の広さで、
順に 高音・中音・低音と ゆっくりゆっくり ぐんぐん下がっていくことができました。
ピアニカさん、ありがとう。

心をこめて演奏したいと思います。


2012.05.15 ずらし歌い
火曜日恒例 ‘わいわい喫茶’で ピアノ演奏をしました。
きょうも、シニアのお客様のリクエストにお応えして、1970~1975年頃の懐メロ・シリーズ。


「心の旅」(チューリップ) 「心もよう」(井上陽水) 「危険なふたり」(沢田研二) 「白いギター」(チェリッシュ)
「神田川」(かぐや姫) 「てんとう虫のサンバ」(チェリッシュ) 「わたしの青い鳥」(桜田淳子)
「わたしの彼は左きき」(麻丘めぐみ) 「五番街のマリーへ」(ペドロ&カプリシャス)
「赤い風船」(浅田美代子) 「夢の中へ」(井上陽水) 「あなた」(小坂明子) 「中学三年生」(森昌子)
「ジョニーへの伝言」(ペドロ&カプリシャス) 「昭和枯れすすき」(さくらと一郎)
「傷だらけのローラ」(西城秀樹) 「ひと夏の経験」(山口百恵) 「襟裳岬」(森進一) 他

おもえば 6年前から始まった‘わいわい喫茶’ですが、
初めの4年間は、地域会館にピアノが無かったため、ピアニカのみでBGM演奏をしていました。
ピアニカが鳴ってる喫茶店って、ちょっと珍しいんじゃないかな? 変かしら? とも思いましたが、
ハーモニカにも似た その音色は、案外 懐メロや童謡唱歌にも合うようで、
鼻唄をくちずさむような気持ちで吹いていたら、お客様も自然とハミングを重ねてくださったりしました。

2年前からは、電子ピアノが備えられ、
やっと両手が使えるようになって、「やっぱりピアノの音の広がりはいいよね」と いい気持ちです。

さて、1年ほど前から、おもしろい試みをしています。
ピアニカとピアノの2重奏です。
電子ピアノの右端に、ホース状のマウスピースを付けたピアニカをセットして、
左手でピアノ、右手と口でピアニカ。

2つの楽器は、音の伸びも 音色も異なるので、
それぞれの特性を生かして、
ピアニカで歌パート、ピアノで伴奏パートを担当します。

やり始めた頃は、演奏中、ときたま失敗をしました。
「あれ? 右手でピアニカの鍵盤 押してるのに 音が鳴らない!
 ピアニカ、壊れちゃったのかな?
 ・・・あ! 吹くのを忘れてた!」とか、
「おや? ペダルを踏んでるのに、メロディーの音が伸びないよ?
 ・・・あ! ピアニカにはペダルが効かないんだっけ」とか。
一人で失敗して、一人で驚いて、一人で納得して、一人でくすくす笑っていました。

最近は、ほとんど気楽に 2楽器同時演奏ができるようになりました。
慣れてしまうと、自転車を漕ぎながら 歌をうたっているようなものかも知れません。

メロディーの中に長く伸ばす音が出てくる時、
「ああ、ピアニカで良かったな」と いつもうれしくなります。
「ふ~~~っ」と 長く息を吹き込んでいる間じゅう、期待通り しっかり音が伸びてくれるからです。
10秒ほども伸ばすような長い音の時、クレッシェンドさせたり、ビブラートをかけたりすることも可能です。
少しの息で 結構しっかりした音量が出る楽器なので、( クラリネットやトランペットなどの管楽器に比べて)
音に表情がつけやすいです。
いつも、「ピアニカさんありがとう!」と感謝しています。

きょうは、さらに新しいチャレンジをしました。
‘ずらし歌い’です。
「五番街のマリーへ」を、ピアノ伴奏はタイム通りのアルペジオで、
ピアニカのメロディーは、ちょっと気障に、伴奏より ずらしてずらして 遅らせて吹きました。

♪五番街は近いけれど とても遠いところ~

この歌詞、特に好きです。
会いたいけれど会えない。飛んでいきたいけれど飛んでいくわけにはいかない。
遠慮するような、寂しいような、切ないような、愛する人の幸せを見えないところでそっと祈るような、
そんな気持ちで、ずらしてずらして吹いてみました。


2012.05.14 和音の名前
音楽仲間のOさんから、「‘G7sus4’って何? 教えて!」というメールが届きました。
早速、返信しました。

「コードネームの話なら、おまかせください。 ドンッ(←胸を叩く音)。
‘G7sus4’(ジーセブンサスフォー)は、‘G7’の直前によく出てくる和音で、
 ああ 早く‘G7’に行きたいよ~、まだですか~、
 と待たされて、ハラハラ ドキドキする気分の和音のことですよ。
 階名でいうと
 ‘ソシレファ’に行きたいのに、いったん‘ソドレファ’に寄り道する、
 あの和音のことですね」。

思えば、和音のことを考えるのは、小学生の頃から大好きでした。
ピアノを弾きながら、いつも、
「ここの和音が好き♪」とか「この和音、今度なにかに使おう♪」とか思っていました。

けれども、世の中にコードネームというものがあるのを知ったのは、
だいぶん後のことで、それは高校生の頃でした。

フォークソングの楽譜などを見るようになって、
伴奏の無い メロディーだけの楽譜の上にちょこちょこ付いているアルファベットが
和音を表している(コードネーム)と知った時、
こんな便利なものがあるとは!と感激しました。

前々から、「ド ミ ソ」とか「ド ファ ラ」といった普通の和音以外に、
「ド ミ #ソ」とか「ド #レ #ファ ラ」のような お洒落な和音が特に大好きだったのですが、
そういった様々な響きの和音に、すべて名前があったとは!

「ド ミ ソ」は ‘C’ (Cメジャー)。
「ド ♭ミ ソ」は ‘Cm’(Cマイナー)。
「ド ミ ソ ♭シ」は ‘C7’(Cセブン)。
「ド ミ #ソ」は ‘Caug’(Cオーギュメント)。
「ド #レ #ファ ラ」は ‘Cdim’(Cディミニッシュ)。

とりあえず、この5種類の基本和音の名前がわかれば、
あとは、どんな和音でも、根音の音名を入れ替えるだけでOK。

「ラ」が根音の悲しい和音なら、‘Am’
「#ソ」が根音の ちょっと目を見開くような ワクワクしたイメージの和音なら、‘G#aug’
「♭レ」が根音の ぐしゃっと押しつぶされたような 困惑イメージの和音なら、‘D♭dim’
という具合です。

ピアノで和音を弾いた瞬間、心に広がるイメージは、
「うれしい」「悲しい」「ワクワク」「ぐしゃっ」などのカンタンな言葉で片づけられるわけではないのだけれど、
(マイナーの和音でも、明るい響きを演出するときだってあるし)、
でも、コードネームを知る以前は、
とりあえず自分なりに名前を付けないと、和音のことを考えにくいので、
「この‘ぐしゃっとした和音’が好きなのよね」というふうに、
同じ響きの和音に対しては、いつも同じ言葉で表現して、心の中で分類していました。
クラシック作品を味わうときも、作曲をするときも。

あるいは、本名を知らず、他に術がないので、他人行儀に階名で呼んだり。
「ド ミ ♭シ さん、こんにちは。きょうも 晴れ晴れしてますね」
「ド ファ ソ さん、こんばんは。いつも 斜に構えてますね」

その和音たちに、ちゃんと意味のある名前で呼びかけられるようになった喜び!
高校生だったあの頃、
急に、たくさんの和音と、親密な関係になったのでした。
前からなんとなく好きだった和音に対して、さらに 親愛の情が増しました。

どこかのおうちの庭先に咲いていた青い花の名前が「桔梗」だと教えてもらったとたんに、
桔梗がかけがえのない花になったように。
そっと控えめに瞬いている あのささやかな光の星たちが「昴」だと知った日から、
冬の夜空を見上げるたびに その居場所をさがすようになったように。
同じように、「サスフォー」も「オーギュメント」も「ディミニッシュ」も
名前があるから呼びかけられる。
何度も呼びかけるから、ますます好きになる。
愛しい和音たちです。

サスフォー(sus4)を初めて知ったのは、
1972年、‘青い三角定規’というグループの「太陽がくれた季節」という曲で、でした。

♪君は何を今 見つめているの
から始まるあの歌の真ん中あたり、
♪それとも愛~
で長く歌声を伸ばす部分で、
ギターコードは、‘E7sus4’に寄り道して待たせてから‘E7’に移るのでした。

カッコよかったです
それをカッコいいなと感じていたあの頃の自分が懐かしいです。


きょうの礼拝で、旧約聖書の士師記7章1-14節から、説教をお聞きしました。

その物語の中心人物は、ギデオンという人でした。
弱小氏族の小さな者にすぎないギデオンを、
神様は、‘士師’(裁き司・救助者・指導者)として選び立てられました。
弱さや欠点や限界があるままに、それを御存知の上で、
神様は彼を立てられたのでした。

私たちもまた弱い人間です。
すべての人は罪人であると聖書は語っていますが、
それは、神様からの大きな慰めの言葉であるということ、
こんな私たちの実態(弱さや欠点や限界)をすべてご存知の上で、
なお、神様は私たちを愛してくださっているのだということを、
あらためて教えられました。

自分の弱さを知り、神様を見上げて助けを求める者に対して、
神様は必ず救いの手を差し伸べてくださると、教えられました。
八方ふさがりのように見える事態にあっても、
神様は、つねに先だって、
私たちの知識や経験を超えた方法で、
すべてのことが益となるように私たちを導いてくださると教えられました。

牧師先生の説教をお聞きしたあとの讃美歌は、「神はわがやぐら」でした。
宗教改革の先駆者マルティン・ルターが、1529年に作詞作曲した讃美歌です。
仰ぐべきは神のみ。
まっすぐで力強い信仰の歌詞の一言一言を味わい、励まされつつ、
愛する兄弟姉妹と共に高らかに賛美しました。


 1. 神はわがやぐら、わがつよき盾、
   苦しめるときの、近きたすけぞ。
   おのが力 おのが知恵を たのみとせる
   陰府の長も などおそるべき。

 2. いかに強くとも いかでか頼まん、
   やがては朽つべき 人のちからを。
   われと共に 戦いたもう イエス君こそ
   万軍の主なる あまつ大神。

 3. あくま世にみちて よしおどすとも、
   かみの真理こそ わがうちにあれ。
   陰府の長よ ほえ猛りて 迫り来とも、
   主のさばきは 汝がうえにあり。

 4. 暗きのちからの よし防ぐとも、
   主のみことばこそ 進みにすすめ。
   わが命も わがたからも とらばとりね、
   神のくには なお我にあり。


                   (日本基督教団出版局『讃美歌』267番)


2012.05.12 上書き
高校の3年間は、ブラスバンド部で青春してました。
1年生の秋、文化祭で その日のために皆で練習を重ねてきた 大きな曲を演奏して、
それが終わってしまった時、
不思議な気持ちがしました。

ホッとしたような、うれしいような、さびしいような、空虚感のような、喪失感のような、
いろいろな感情が入り混じった感じです。
それは初めての経験でした。

大人になってから、音楽の仕事をするようになって、
コンサートの後の そういった燃え尽き感みたいなものは、また、何度も経験していますが、
1日目ぐらいは、どちらかというと楽しい気分のことが多く、
「コンサートが無事に終わって良かったな」というような気持ちで、まだハイテンション。
2日目ぐらいから、揺り返しのように、クヨクヨが始まる時もあります。
「なんで、あそこで失敗したのかな?
 もう少しうまく弾きたかったな…」とか。
そういうのも、やがて通り過ぎて、3日目ぐらいから、平常運転。

…と思いきや、音だけが、まだしばらくは、頭の中を占領しているのでした。
いつもそうです。
大きなコンサートのあとは、終わってから1週間ぐらいは、
ずっと、その幾つかの演奏曲のさまざまな部分が、つねに 頭の中で鳴り響いていて、
振り払っても、振り払っても、それが離れないのです。

ああ、また鳴ってる!
ああ、まだ鳴ってる!

たしかに好きな音楽だったはずなんだけど、
でも本番終了後 1週間も同じ音楽が鳴り続けるのは、いい加減 しんどくて、
誰か 止めて~!と叫びたくなります。

ある時、敬愛するM先生にお尋ねしたら、
「僕も いつもそうやわ。
 コンサートのあとって そういうもんやね。
 振り払っても振り払っても、1週間ぐらいは鳴り続けるよね。
 困るよね。
 そういう時はね、上書きするしかないんよ。
 さらに濃い音楽を頭の中に刷り込んだらええんよ」
とのアドバイスをいただきました。
なるほど。

今週は、大きなコンサートを経験したわけではないのですが、
夜中に無我夢中で編曲した楽譜や、暗譜した曲や、
レッスン中に熱っぽく指導したり味わったりした音楽が、
頭の中でエンドレスでぐるぐる回っていて、
ちょっと リピートしすぎ、
もうそろそろ違う曲に変えたいんですけど、と思ったりします。

M先生に教えていただいた通り、また新たな曲に挑戦するしかないですね。
そうだ! 明日は、新しいピアノ曲を弾きましょう!


エフゲニー・キーシン。
1971年生まれ。ロシア人。
大好きなピアニストの一人です。

初めてキーシンのことを知ったのは、
1986年の初来日の時でした。
昭和女子大学人見記念講堂でのリサイタルのビデオを、
友人が貸してくれました。
繰り返し繰り返し見て、すっかりファンになりました。

細くて、童顔で、生真面目そうな表情で、
たんぽぽの綿毛のような頭をしている少年でした。

誠実で謙虚な人柄がインタビューの受け答えに表れていて、
言葉少なで、ハニカミ屋さんのようでした。

が、いったんピアノに向かうと、
15歳の少年とは思えない、成熟した演奏で、
誰もが難しくて苦労する部分を、いとも簡単そうに軽やかに弾いていて、
逆に、誰もが簡単にさらりと通り過ぎるように弾いてしまう部分を、
とても味わい深く、あらたな意味を持たせて 丁寧に弾いていました。

その後、CDやFMで、折々に聴いてきました。
20歳になったキーシン、30歳になったキーシン。
さらに円熟していくその演奏に、
どんなにたくさんの喜びや励ましや慰めを与えられてきたことでしょう。

きょう、ふと思い立って、You-tubeで、最近のキーシンの演奏を聴きました。
2011年12月31日、ベルリン・フィルのジルヴェスターコンサートにおける、
グリークのピアノ協奏曲。

40歳のキーシン。
やっぱり素敵でした。
外見は、すっかり 貫禄のある おじさん風になっていましたが、
演奏のスタイルはずっと変わることなく、
ひたすら真面目に、全力で、全身全霊をこめて、音楽のメッセージを伝えておられました。
愛がほとばしるような演奏でした。
感動しました。

もっと聴きたくなって、検索すると、
マルタ・アルゲリッチとの連弾の動画が見つかりました。
モーツァルトの4手のためのソナタK.521。

アルゲリッチは、1941年 アルゼンチン生まれの世界屈指のピアニスト。
親子ほどの年齢差で、キーシンからすれば大大先輩。
普通なら ものすごい緊張なんじゃないかなと思うのですが、
もちろんお二人とも完璧な演奏。
次第に緊張も解け、モーツァルト本来の楽しさが どんどん繰り広げられ、
あのキーシンが何度か笑顔を見せるのです。
音楽が たのしくて たのしくて、おもわず ほほえみあう二人。

連弾。いいですね。
しあわせが伝染してきました。


Lさん(小2)のレッスンで、『やっぱりピアノがすき』という教本を使っているのですが、
きょうは、いよいよ、その最終ページの曲になりました。
「ゆかいな牧場」という題名です。

♪一郎さんの牧場で イーアイ イーアイ オー

初見で ♪ドドドソララソ ミミレレド~ と弾き始めた途端、
「『すいかの名産地』とおんなじ!?」と、Lさんが うれしそうに言いました。
「え? そんなはずないよ。 2回も同じ曲、出てこないでしょう」と私。

「すいかの名産地」というのは、数週間前(同じ教本の数ページ前)に経験した曲で、
題名も歌詞もなんだかヘンテコでした。
2人で歌いながら、大笑いした記憶があります。

♪ともだちができた すいかの名産地
 なかよしこよし すいかの名産地

というような歌詞です。
♪ドラソラドラソ ミミレレド~
誰もが聞き覚えのある 陽気なアメリカ民謡に、なんでこの歌詞が?と不思議に思うんだけど、
‘すいかの名産地’という言葉のリズムがぴったりで、そのナンセンスな感じがまた楽しかったりして。

「ゆかいな牧場」と「すいかの名産地」。
どちらも、アメリカ民謡に日本語の歌詞を付けたものです。
たしかに、メロディーが似ています。
でも、違うところもあります。
「だから、似ているだけで、別な曲ね。
 アメリカ民謡って、こういう感じの曲が多いのよね」と私は説明しました。

でも、ちょっと気になって、今、ネットで調べてみると…。
なんと、ルーツは同じだということが分かりました!
いずれも、“Old Macdonald had a farm”というアメリカ民謡が原曲なのだそうです。
民謡って、歌い継がれるうちに、メロディーが少しずつ変化してくる場合もあるのですね。

Old Macdonald had a farm, E-I-E-I-O
And on his farm he had some chicks, E-I-E-I-O
With a “chick-chick” here and a “chick-chick” there
Here a “chick” there a “chick”
Everywhere a “chick-chick”
Old Macdonald had a farm, E-I-E-I-O

もっと驚いたのは、この同じメロディーで、「大阪うまいもんの歌」というのが、
大阪の幼稚園や保育園で流行っているのだそうです。
♪大阪には うまいもんが いっぱいあるんやで~
という歌詞から始まって、たこ焼きとか豚まんとか出てくるんだそうです。

そうだったんですか…。
来週、Lさんに謝らなくっちゃ。私の間違った思い込み。
そして、今度は3種類の歌詞で、いっしょに歌ってみたいと思います。
歌が大好きなLさん、いつも元気いっぱいに歌ってくれるので、楽しみです。
もちろん、ピアノも楽しく♪


高齢者介護施設‘パナソニック・エイジフリー泉大津デイセンター’で演奏しました。
‘もんたった’の3人組で。
今回の演奏曲は、以下の通り。

 1. シャル・ウィー・ダンス
 2. ★こいのぼり
 3. おまえに
 4. ★きんたろう
 5. いそしぎ
 6. マイアミ・ビーチ・ルンバ
 7. 明日という日が
 8. ★みかんの花咲く丘
 9. スマイル・アゲイン
 10. メリー・ウィドウ・ワルツ

★印の3曲は、会場の皆さんとご一緒に歌いました。

映画音楽あり、童謡あり、石原裕次郎あり、オペレッタあり、
なんでもありの大衆食堂的ですが、
どうぞお好きなものを召し上がってください という気持ちです。

「懐かしいわぁ…」「この曲、好きやねん!」
声援と共にニコニコ顔が見えるとホッとします。

「マイアミ・ビーチ・ルンバ」は、
ソプラノとバリトンとピアニカのメロディーが絡み合うアレンジで、
ラテンのリズムは、マラカス、ウッドベース、ピアノで刻みました。
歌詞は日本語です。 (作詞・編曲:ゆかいな鍵盤屋)

 
  夕暮れせまる街で あなたを見かけた
  夢じゃないよね?
  恋の胸騒ぎ 揺れる ルンバ!

  ちいさな肩にそっと触れれば
  たちまち 君と僕の愛の物語 始まる ルンバ!

  二人なら 喜びも さらに拡がって
  二人なら 悲しみも 乗り越えてゆける

  今日から いつも二人
  手に手をとりあい 見つめあい 育てよう
  灼熱の 恋の ルンバ!


「ルンバ!」の部分で、演奏者も お客様も、ピタッとキマる、
その感触がうれしかったです。


2012.05.08 いそしぎ
明日のコンサートに備えて、「いそしぎ」(The Shadow of Your Smile)をしっかり暗譜しなおしました。
ピアニカ独奏です。
カラオケ伴奏はMDに録音しています。

この曲、3月末のコンサートでも、一度 演奏したのですが、
時間がたつと、表現上の細かい約束事
(‘ここで盛り上げよう’とか、‘ここはサラリと’とか、‘ここはちょっと待ってから’とか、
 独奏者の自分と 伴奏者の自分で 打ち合わせたこと) の記憶が
あいまいになっている部分があり、
どうするんだったっけ?と、初めて編曲した日の熱い自分に もう一度 問い直すのでした。

この作業を丁寧にしておかないと、
本番、ピアニカだけ情熱的で、伴奏は やけに冷静だったり、
その逆だったり、
部分 部分で、独奏と伴奏の気分の高揚の仕方に温度差が生じて、
あらら、ということになってしまいます。

きょうは、5回ほど吹いているうちに、「そうそう。こういう感じだったわね」と思い出しました。
適度に、熱くなってきました。

この曲を主題歌に持つ 1965年のアメリカ映画“The Sandpiper ” (邦題‘いそしぎ’)は、
エリザベス・テイラーとリチャード・バートンの共演で、大ヒットしたそうです。
出逢いと別れ。 愛の喜びと苦しみ。
スクリーンの中の人に想いを馳せて、ドラマティックに演奏できたらと思います。


Kさん(高1)のレッスン中、彼の弾く繊細な吉松隆さんの作品をうっとりと聴いているうちに、
ふと、湯山昭さんのことを思い出しました。
いずれも、素晴らしい邦人作曲家です。

吉松さんは、1953年生まれ。
湯山さんは、1932年生まれ。
親子ほど年齢が違うのですが、
印象派風の柔らかな音づかいの作品が多いところが 似ているように思いました。

私は フランス近代印象派の音楽が 特に好きなのですが、
高校生の頃は、とにかく ドビュッシーが大好きでした。
そのうち、ラヴェルが好きになって、
さらに、フォーレも サティも お気に入りになって、
どんどん好きな作品が増えてきて、
「みんなみんなステキな人たち…。
 フランスはいいよねぇ。近代はいいよねぇ。印象派はいいよねぇ」と
ずっと憧れ続けています。

昔は好きだったけど、だんだん冷めてきた、というような作曲家は、一人もいません。
好きな人、好きな作品は増える一方で、
この憧れの気持ちは、きっと、ずっと、いつまでも続くのでしょう。
ジャズもいいな。オールディーズもいいな。ワールド系もいいな。
北欧の音楽もいいな。アイリッシュもいいな。ボッサもいいな。
食いしん坊バンザイ。

Kさんにそんな話をしながら、
楽譜棚から、20年ぶりぐらいで、湯山昭さんの本を取り出しました。
ピアノ曲集『お菓子の世界』。
全25曲、お菓子がテーマ。

「シュー・クリーム」「バウムクーヘン」「柿の種」「ソフトクリーム」「鬼あられ」「ドーナッツ」などなど。
題名を見ただけでも懐かしさがこみあげてきました。
1曲1曲が、みんな違った雰囲気で、それぞれに洒落ています。
短く解説しながら少しずつデモ演奏していたら、
どれもこれも、片っ端から弾きたくなりました。
思い出の音が鳴ると、鳥肌が立ちました。

「これは『甘納豆』っていうの。日本音階が面白いね」と私。
「なるほど。日本庭園みたいですね」とKさん。
「これは『ホット・ケーキ』。ぜんぜん丸くないね。エネルギッシュに焼いてるのかな」
「ジャズの匂い」
「これは『ドロップス』。16分音符が流れるようにきらきらきら」
「音の粒々が降ってきた…」
「これは『マロン・グラッセ』。なんとまろやか。それでいて甘ったるくない。泣きたい気持ち」
「この和音、心が痛い」

Kさんに弾いてほしい曲ばかりだけど、
とりあえず、「マロン・グラッセ」からいきますか。
楽しみが増えました。
来週、胸がちくちくするような「マロン・グラッセ」、聴かせてください。


「これらのことをあなたがたに話したのは、
 わたしにあって平安を得るためである。
 あなたがたは、この世ではなやみがある。
 しかし、勇気を出しなさい。
 わたしはすでに世に勝っている」(ヨハネ福音書16:33)。

(‘わたし’というのはイエス・キリストのことです。日本聖書協会口語訳)

きょうの礼拝で、あらためて教えられました。

困惑すること、悩むこと、どう考えたらよいのか分からないこと、
日々、いろんな問題がありますが、
それらと どのように向き合い、闘い、乗り越えていくのか、
その方法は、ただ一つ、
先立ってくださる神様を仰いで、祈りつつ歩むことです。
同じ道を歩む友と、助け合い、赦し合い、励まし合いながら。

牧師先生の説教をお聞きしたあとの讃美歌は、「ながき道 ひとりあるきて」でした。
スペイン民謡「ファニータ」のメロディーに乗せられた 力強い信仰の歌詞。
愛する兄弟姉妹と共に賛美しながら、希望と勇気があふれてきました。

  1. ながき道 ひとりあるきて、
    罪多き 過ぎし日よ。
    すくいぬしの み声を聞きて、
    こころうごき わき立ちぬ。

     ※いざ立ちて み足のあとを、
      いざ立ちて すすみゆかん。

  2. わがまえに 主は立ちたもう、
    つよき敵 いかにあれ、
    仰ぎ見るは ただ主のみ顔、
    たたえ歌は あふれくる。
 
     ※(おりかえし)

  3. あらし吹く さわがしき世に、
    日々友は ほろびゆく。
    救いのわざ おおしくつとめん、
    主は先立ち すすみたもう。

     ※(おりかえし)

                   (日本基督教団出版局『讃美歌第2編』140番)


「はちぷち」(8小節で楽しむプチ名曲)シリーズ、次々、編曲しています。
きょうは、「右ひじ左ひじ交互に見て」という曲を、
易しいめに、だけど左手は16ビート・ロックのノリでカッコよく、アレンジしました。

「右ひじ…」というのは、お笑いコンビ2700のリズム系コントの一つで、
コントとしても、音楽としても、非常に完成度の高い作品だと思います。

私は3箇月ほど前に、偶然ウェブサイトで見つけて、すっかりハマってしまい、
そのコント、何度もリピートして見ました。

美容クリームを左ひじにだけ塗ったので、
その効果があるのかどうかを見てほしいと、右ひじ左ひじを交互に突き出して見せる、
という、ただそれだけのシュールなネタなのに、
なんで、こんなに リズミカルなダンスと 洒落た音楽が!と、ただただ感服。

「このGW、家族で のんびり テレビやYou-tubeを見てたら、
 子どもたちが2700に夢中で。
 『右ひじ…』、何回、見たことか。
 その音楽、聴きすぎて、頭から離れないです。
 カッコいい曲ですよね!」
と、昨日、Jさん(小1)のおかあさんから 聞きましたので、
きょう、すぐ、楽譜を書いて渡しました。

楽しみが増えました。
来週、Jさんの手で、ノリノリの「右ひじ左ひじ交互に見て」、聴かせてください。


2年前から鍵盤屋ピアノ教室のメンバーになられたⅠさん(大人)、
「いつの日か、ショパンが弾けたら…。でもまだまだ無理です。
 若い頃、ピアノを習ってましたが、その後 長いブランクもありますし…。
 とりあえず、ブルクミュラーぐらいから、レッスンお願いします」
と、初対面の日に謙虚に言われていましたが、なんのなんの、
ショパンも、ベートーヴェンも、ドビュッシーも、
私が課題曲としておすすめしたものは、どれもこれも、気に入ってくださり、
本当に丁寧に美しく弾いてきてくださいました。

音楽の感動を共有できるというのは、なんと幸せなことでしょう。
ますます、いろいろな曲をおすすめしたくなります。

吉松隆さんもいいですよ。
坂本龍一さんもいいですよ。
北欧の作曲家の作品にも、素晴らしいものがたくさんありますよ。
シベリウスも、カスキも、パルムグレンも、いいですね。
ジャズもいいですね。

そんなふうにして、この2年間、さまざまな曲をご一緒に感動しながら、レッスンしてきました。

今週は、倉本裕基さんの作品集をおすすめしました。
「倉本さんって、知ってる人には凄く有名、知らない人には誰それ?って感じかも知れませんが、
 とにかく、とってもステキな作品をつくってる人なんです。
 ショパンが好きな人なら、きっと大好きになりますよ」
と言いながら、私がその楽譜集のページをぱらぱらめくりつつ、
次々、ハイライトのデモ演奏をしていると、
「まあ! レイク・ルイーズ!」と、突然、Ⅰさんが歓喜の声をあげられました。

「えっ? この曲、ご存知でした? 『霧のレイク・ルイーズ』」
「いいえ、曲を聴くのは初めてですが、
 レイク・ルイーズに、行ったことがあるんです!
 んもう、なんとも言えない、とっても美しい湖でした。
 その湖をテーマにした音楽があったなんて!」と、すっかり感激しておられるⅠさん。

私は、20年ほど前から、この曲が好きでしたが、実際の湖のことは何も知りませんでした。
「レイク・ルイーズ(Lake Louise) は、カナディアン・ロッキーの最高の名所で、
 エメラルド色の湖なんです。
 氷河、岩、森、湖。湖畔のホテル…」
懐かしい風景を思い出しながら うっとりした表情のⅠさん。

楽しみが増えました。
来週、Ⅰさんの手で、感動の「霧のレイク・ルイーズ」、聴かせてください。


たいていの楽曲は、その楽譜の最初に 速度表示が記されています。
Andante とか Moderato とか。
「♩=120」(四分音符が1分間に120回 打つ速度)というふうに数字で表されている場合もあります。

「メトロノームが無い場所でも、数字を見ただけで、だいたいの速度が想像できると便利ですよ」
という話を、どの生徒さんにも、初めて速度表示記号を目にした機会に することにしています。

「『♩=60』は、1分間に60回ってことだから、つまり、時報の ♪ピッピッピッピー と同じ速度ね」
と言いながら、ピアノのA音で再現すると、
「あっ、知ってる知ってる! テレビでいつもきいてる!」と、たいてい、喜んでくれます。

「よく知ってるよね。
 その音の高さも、速さも、
 いつもいつも聴いてるから、自然に、完全に、耳でおぼえちゃってるよね。
 ってことは、『♩=60』なら、時報を思い出せば、カンタンに速度が思い浮かぶわけね。
 ついでに言うなら、
 『♩=120』なら、時報の2倍ぐらい、忙しいってこと。
 『♩=30』なら、時報の半分ぐらい、のんびりってこと。」
と言いながら、秒針の進み方を思い浮かべつつ、「120」や「30」の速度で 手拍子を試してみたり。

生徒さんと私、どんどん盛り上がってくると、微妙な「80」や「160」もゲーム感覚で試してみたりします。
一人が音の鳴らないタイプの電子メトロノームのビジュアル表示を見つめていて、
もう一人が、自分の想像で正しいと思う速度の手拍子。
「ちがうちがう、ぜんぜん遅いよ」とか「うわあ、速すぎるよ」とか、大騒ぎ。
結構当たらないもので、それがまた楽しいです。

ところで、きょう、「ハッピー・バースデーの歌」を歌っていて、ふと思い出したのですが、
この曲は、「♩=120」で歌うのが一般的な速度なので、
「ハッピー・バースデーの歌なら いつでも ほぼ正確に 120の速度で歌えますよ」
というふうに自信を持てるぐらいに 体に覚えこませておくとよい、
と聞いたことがあります。
音大受験生から聞いた話でした。
何かの役に立つのかも。

でも、同じ歌でも、その日の気分で、
そのお誕生パーティーの雰囲気で、
お集まりの皆さんの年齢層にあわせて、
やや遅いめに歌うときも、速いめに歌うときもあるんじゃないかしら。
老人会で歌う時と、子育て支援サークルで歌う時とでは、速度が違うような気がします。
(↑伴奏者は語る)

バースデー・ソングは、TPOにあわせて、自由な速度で歌っても構わないとは思いますが、
それとは別に、音大受験対策として(?)、ほぼ正確に「120」で歌うテクニックを思いつきました。

♪ハッピー バースデー トゥー ユー
という歌詞の、いちばん最初の「ハッピー」を、
「クリスマス」に替えて歌ってみます。(1拍に5文字。つまり5連符です)

♪クリスマス バースデー トゥー ユー
 クリスマス バースデー トゥー ユー
 クリスマス バースデー ディア 〇〇さん
 クリスマス バースデー トゥー ユー

ほら、「120」で歌えていませんか?
「クリスマス」という言葉、だいたい「♩=120」で いつも発音しているような気がしますので。

クリスマスはイエス・キリストのお誕生日。
「クリスマス」。 一年中、大好きな言葉です。


2012.05.02 指番号
私は 子どもの頃、楽譜の指番号を ほとんど無視していました。
指番号というのは、親指から小指までを 1から5の数字で表す記号です。
べつに楽譜の指番号の表示に従わなくても、自己流の演奏法で、なんとかなるような気がしていて、
もしかすると、曲によっては、かなり ヘンテコな指づかいだったかも知れませんが、
誰からも とがめられることなく、毎日、楽しく、好きなように弾いていました。

けれど、大人になってから、
時には 指番号も大事かも、と思うようになりました。

指がもたついて スムーズに弾けない部分などは、
初心に返って、謙虚に、指定どおりの指番号で落ち着いて練習してみると、
おお、なるほどぉ と思わされることが多いです。
結局はそうすることが近道だとわかりました。

というわけで、レッスン中、指番号ぎらいの生徒さんの気持ちに共感しながらも、
あの手この手で、アドバイスしています。
「そうね、そこは指番号どおりでなくても、いきあたりばったりの指で弾いても なんとかなるよね」とか、
「いえいえ、そこんとこは、指番号どおりのほうが ぜったい便利ですってば。やってみようよ!」とか、
「いやだよねぇ、指番号のこと ごちゃごちゃ言われるのって。でも、やるっきゃない!」とか。

きょうは、Hさん(小1)のレッスンで、「天国と地獄」を楽しく弾いていたのですが、
「ソ、ソ」とか「レ、レ」というふうに、2回ずつ同じ鍵盤を弾く部分で、
「5、4」とか「1、2」というふうに、指を替えたほうが その続きがスムーズに弾きやすくなるので、
その練習をしました。
同じ鍵盤なのに指だけ くるくる替えるのは、案外 難しいのでした。

Hさんが弾いている横で、ずっと応援している私は、
その同音連打の部分(4箇所)になるたびに、「指、替える!」と、タイミングよく 声をかけました。
くりかえし練習するうちに、かけ声も次第に短くなり、「かえる!」 「かえる!」になりました。
そしたら、Hさんは、「がくふのなかに、カエルさんの絵、かきたい」と言いました。

さすが 絵の上手なHさん。あっという間に 描けました。
楽譜の中に 4匹のかわいいカエルさん。
もう間違いません。
ピアノも上手になりました。

そういえば、先週は、「すなおな心」を弾いていたHさん。
「1、5」と流れる指番号の部分が難しくて、そこに ちいさな「イチゴ」の絵を描いていましたね。
絵を描いた途端に、楽譜が自分のものになって、
今まで苦手だった箇所が、大好きな箇所に変わりました。

「何回でも弾くよ♪」
得意そうに くるくると指を回して弾くHさんに 拍手!